強制捜査とは

税務調査には、任意調査と強制捜査の2種類があります。任意調査は、納税者の同意を得て行われる調査であるのに対し、強制捜査は、国税局査察官が令状に基づいて調査対象者の事業所等に立ち入り、調査を行うものです。拒否はできません。

脱税の疑いのある納税者(脱税金額が1億円を超え、尚且つ悪質な隠蔽工作がなされたと想定された事例に限る。)に対して、裁判所の令状を得て強制的に調査を行います。

強制捜査の流れ

強制捜査は、主に以下の手順で行われます。

  1. 捜索差押許可状の取得: 国税局査察官は、裁判官から捜索差押許可状を取得します。
  2. 立ち入り: 捜索差押許可状を携えて、調査対象者の事業所等に立ち入ります。
  3. 本人確認: 調査対象者本人の氏名、生年月日、住所などを確認します。
  4. 捜索: 帳簿書類、パソコン、USBメモリ等を捜索します。
  5. 差押: 証拠品と認められるものは差押します。
  6. 質問検査: 帳簿書類や取引先等に関する質問を行い、必要に応じて書類の提出を求めます。
  7. 調査終了: 調査内容をまとめ、調査対象者に説明します。
  8. 差押解除: 証拠品が不要となったものは差押を解除します。
  9. 調査結果通知: 調査結果を文書で通知します。

強制捜査の対象となる場合

強制捜査は、以下の場合に行われます。

  • 脱税や不正経理が疑われる場合
  • 任意調査に応じない場合
  • 証拠を隠滅する恐れがある場合

強制捜査に応じない場合

強制捜査に応じない場合は、刑事罰の対象となる可能性があります。

強制捜査で差押を受けた場合

強制捜査で差押を受けた場合は、以下の点に注意する必要があります。

  • 差押を受けたものは、許可なく処分することはできません。
  • 差押を受けたものが必要になった場合は、国税局査察官に申し出ることができます。