税務調査には、強制調査と任意調査の2種類があります。強制調査は、国税局査察部（マルサ）の調査官が、令状に基づいて調査対象者の事業所等に立ち入り、調査を行うものです。一方、任意調査は、税務署員が納税者の同意を得て行う調査です。
「任意」とはいうものの、調査協力は納税者の義務であり、従わないと罰則が適用される場合があります。
任意調査の流れ
任意調査は、主に以下の手順で行われます。
- 事前連絡: 税務署から電話や書面で、調査の日時と場所が通知されます。
- 調査開始: 調査員が事業所等に訪問し、調査対象者本人または代理人に身分を証明します。
- 本人確認: 調査対象者本人の氏名、生年月日、住所などを確認します。
- 質問検査: 帳簿書類や取引先等に関する質問を行い、必要に応じて書類の提出を求めます。
- 調査終了: 調査内容をまとめ、調査対象者に説明します。
- 調査結果通知: 調査結果を文書で通知します。
任意調査の種類
任意調査には、大きく分けて2種類があります。
- 無予告調査: 事前に予告なく行われる調査です。主に、現金商売等で不正が疑われる場合に行われます。
- 事前予告調査: 事前に調査の日時と場所を通知して行われる調査です。主に、毎年恒例の調査として行われます。
任意調査に応じない場合
任意調査は、納税者の協力義務に基づいて行われる調査です。正当な理由なく調査に応じない場合は、処罰される可能性があります。
調査拒否すると1年以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられます（国税通則法）。また、調査中に嘘をつく、事実の隠ぺいや証拠書類を提出しないといったことは調査の妨害とみなされ、同じく罰則の対象となります。
任意調査で指摘を受けるリスクを減らすために
任意調査で指摘を受けるリスクを減らすためには、日頃から正しい帳簿書類を作成しておくことが重要です。また、税務調査の流れや内容を理解しておくことも大切です。不安な場合は、税理士に相談することをおすすめします。